平屋の間取り、約30坪が決定するまでの変遷 ~木造建築士の主婦が試行錯誤を重ねた過程を紹介~

平屋の間取り 木造建築士・間取り考察

自宅を建築する、となると、まず考えるのは間取りですよね。

我が家も相当考えました。

誰かプロにヒョイッとお任せしたい!

と思ったこともあったし、

画像検索で出た図面に当てはめて考えてみたり、

各部屋の必要な広さのパーツを紙で作ってつなぎ合わせてみたり・・・・・・

とにかくかなり時間を掛けました。

そんな変遷を振り返ってみたいと思います。

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着工の4年前から始まった間取り考察

そもそもなぜ平屋にしたのか

我が家は異例中の異例ですが、セルフビルドするという大前提があったので、

なるべく低くしたかったんです。

2階建てだと階段の造作が難しそうですし、外壁を張る時も危険だと思ったので。

それから一般的な平屋にする理由として、バリアフリーであること、

階段の上下が無く掃除がしやすいことも理由です。

当初の間取りの細々した要望

玄関について

・郵便受けは玄関のドアに付いている → ポストが外だと面倒

・玄関ドア、玄関の壁に灯り取りの小窓 → 照明無しでも明るくしたい

水回り関連

・トイレは2か所 ( → のちに1か所になる)

・キッチン流しの手前の幅が広い → 賃貸は大抵狭くて、水が飛ぶから

・浴室はユニットバスでホッカラリ床 ( → 当初はTOTO希望だった)

洗面所と脱衣室が別

・化粧洗面台にコンセント2個以上

・洗濯物を干すのが楽

各部屋について

・和室は1室以上

・布団を干すのが楽

・暖房効率がいい

・薪ストーブは大変そうだからFF式の石油ストーブ

・土間にはしない(寒そうだから)

・アトリエはリビングの一角か、家事室で ( → 当時似顔絵の仕事をしていたので)

・子供部屋は大きく一間。間仕切り壁を外しても元々の部屋の広さに戻るように ( → 結局は住む時には娘が小学校高学年で、初めから仕切った)

・夫の趣味の部屋:木工所を作る

・夫の趣味の部屋:書斎を作る

初めての間取り

以上を踏まえて初期に作ったのがこちら。

中庭のあるプランです。ぐるっと回遊、に憧れがありました。

この間取りの欠点

「3Dマイホームデザイナー」というソフトを買って、↑の案で作ってみたら、

中庭にあまり日が入らないことが分かりました。(↑と部屋の並びが左右入れ替わっています。)

夏の日差し。

冬の日差し。

「3Dマイホームデザイナー」は、都道府県を入力すると、「春・秋」「夏」「冬」の季節ごとの光源と日の当たり具合も出てきます。

 

寝室を和室にして日中は広く使いたいという思いから、平屋でも布団を何とか干そうとしていました。

この頃考えていた平屋にすることのデメリットは、布団をどう干そう……ということでした。

考えていた当時は、ずっとアパート暮らしでベランダがありました。

そして、ベッドではなく敷布団生活だったこと、静岡で温暖な気候だったこともあって、

こまめに布団を干していました。

なのでこれは、ベッドにすることで解消。(マットレスとその下面の通気で)

 

少し横長の間取り

その後、中庭プランはやめて、一から考えた別プランがこちら。

(まだ土地は買っていないのでひたすら妄想の時期。この時はまだ寝室が和室になってます。)

外観。インナーガレージにしたかったんです。

リビング。

またまた登場、マイホームデザイナー。

私はガイドブック付を購入しました。

間取りの作成はもちろん、

外壁を何色にしようとか、色の組み合わせとかも簡単に出来ますし、

家具、家電の種類も豊富です。

この時のこだわり部分(図面で表せてないところ)

 ・平面図の薄く横に入っているピンクの線が屋根の棟のライン

  北側を一段立ち上げて、キッチンと子供部屋を勾配天井にしたいと思いました。

 ・リビングの小上がり

  ここは掘りごたつにしたいと思っていました。

 ・子供部屋

  ロフトにして、上部にベッド、下部に机とクローゼット等。

 ・テレビの後ろ辺りに郵便受けを設置

  内蓋も設置して外気が入りにくいようにする。

 ・小上がりは全面に襖を設置出来るようにする

  来客宿泊用に閉められた方がいいから。

  普段はトイレ横の収納スペースに入れておくことでトイレの音も軽減。

でもこの図面、今見ると突っ込みどころがいっぱいありますね……

最終間取りの原型

そして、土地を購入し、その立地、広さに合わせて考え抜いて、

やっとのことで最終的な間取りの原型になったのはこちら。

当初の要望で、「薪ストーブは大変そうだから石油ストーブ」としていましたが、

薪ストーブにすることにしました! 

土間も考えましたが、なるべく家の中心に近い方が万遍なく温まることからリビングに面した位置に。

また、「浴室はユニットバスがいい」という考えでしたが、ハーフユニットバスにしました。

窓の位置を自由にできるにはこれがいいのかなぁと。

平屋の間取り 最終形態

ジャーン。

最終的にはこの間取りで家を建てました。

(蓄熱式薪ストーブの左にある柱は右のと同じように真後ろに移動しました)

 

原案とどこが違うかというと、

和室を6畳にし、リビングから右の部分を縦に少し縮めてほぼ正方形にしました。

そしてキッチンが家の中央にあったのを、書斎を予定していた3畳のスペースに移動させました。

大きく踏み切った原因は、薪ストーブです。

ずっと一般的な鋳物の薪ストーブで考えていて、

設置場所は、本やネットでも「周りに壁が無い方がいい」とか

「隅だと温かさが半減する」と読んではいても、

間取りから考えて邪魔にならないところに持ってきていました。

それが断熱の施工方法を検索していたら、「メイスンリヒーター」というものを発見してしまったのです目

こんなのとか、


函館の薪ストーブ屋 ファイヤピット熾壺日記

こんなのとか。


株式会社Reborn(リボーン)

(↑Rebornさんの記事は、断熱について調べていた時に発見したのですが、読み物としても興味深い記事です。)

これは高温で一気に燃やして、レンガや漆喰、石などストーブの壁の部分で蓄熱して長時間放出し続ける、というものです。

一般的な薪ストーブと違い高温に上げても本体が痛みにくいこと、

長時間にわたり熱を放出し続けるので薪の量が減らせる

というのが大きなメリットと書いてありました。

デメリットは、重たいので基礎からそれ専用に施工しなくてはいけないこと。

あと、値段が高い

で、このヒーターを導入したいと2社に問い合わせし、我が家の図面をメールしました。

そのどちらにも言われたのが、現状での薪ストーブの位置。

それで思い切って隅から中央に変更しました。

これによって他のメリットも出てきました。

原案でのキッチンの換気扇は、壁から遠い位置だったのと、

梁とかの兼ね合いで床下引き換気扇を考えていましたが、

・横の壁からすぐ出せる位置に来たことで一般的な物に出来る。

・床下を通らないので低温によりダクト内で汚れが蓄積するという心配がなくなったこと。

・水回りが近くなって、キッチンもボイラーから近くなったこと。

いいことづくめでした。

ただ、メイソンリーヒーター一択で考えてたのですが、何しろ値段が高い……

一般的な薪ストーブの煙突も全部含めた施工費のおよそ倍。軽く250万を超えてました……

 

でもこれ1つで家を温められるなら……

……でも高いな……高過ぎるな……

と「蓄熱式薪ストーブ」特集の本を見ていて、ペチカを見付けました。

ん?「ペチカ」?  ……ペチカだったら……?

とふと思いました。

そこでペチカで検索。

すると長野県では結構ペチカを取り入れてる住宅が多いみたいで、静岡に住んでいる間に長野へ行き、

実物を見て色々お話を聞いて、山口左官工業所さんにお願いしたのでした。

建てている途中、原案の「キッチン中央配置」の間取りに似たものを広告で見付けました。

↓↓元々の「キッチン中央配置」の間取り

玄関の位置は逆ですが、キッチンと浴室の位置が同じです。ついでに洗濯機の位置も。

ウチの間取りはキッチンを通り抜けできるように真ん中のスパンが半間(91cm)長くなっています。

今はそこにペチカが陣取っております(笑)

広告の間取りを見て、似てるというのもあってすごい親近感を勝手に覚えたんですが、

私なりの難点を挙げるなら、

・玄関から冷蔵庫までの距離を短くしたい

・ウォークインクローゼットの空いてる中央のスペースもったいなくないかな?

・シューズインクローゼットってちゃんと使うかな

・右下の部屋のクローゼットの扉の位置だと奥の物取りづらい

・キッチンが窓から遠いから電気消したら暗そう

(実際に自分の間取り考えた時もそう思ってて、吹き抜けにハイサイドライト(窓)を設け、

また、両サイドの寝室と洗面室から日光が届くように・・・としていた)

・・・そんなところでしょうか(割とあった)

まとめ:それぞれの家族構成、土地の広さ、向きによって最適な間取りは変わる

何やかんやと約4年考えてきた間取りで、現在快適に暮らしております。

じっくり考えたから自分たちに合った間取りになりました。

これから家を建てる方でこの記事を読まれる方には、ぜひご自分でも一所懸命考えてみてほしいと思います。

こちら↓に資料請求すると平屋の間取りプランと見積もりをしてくれるそうです。

 それぞれの土地の周辺環境もあるので、ぴったりな案というのは難しいとは思いますが、

こういったのも参考に考えてみてもいいのかな、と思います。

コメント

  1. 嫁@美里住建 より:

    ひゃあ~、懐かしいですね~。

    ここまで来るまでに本当にいろんなことがありましたね。改良に改良を重ねての今。

    ここまで真剣に家づくりに取り組めたのだから大満足ですよね。素晴らしです✨

    • かったー かったー より:

      嫁@美里住建さん

      嫁@美里住建さんには全〜部過程を見てもらってますもんね。懐かしいですよね(笑)

      他にも廊下が長い間取りもあって、データに残してなかったんですが、そこで妥協してなくて本当に良かったです。

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